
/東京大学 /工学部 /システム創成学科 /システムデザイン&マネジメントコース
東京大学大学院 奥田・松永研究室
マルチシナリオシミュレーション環境学分野
本分野では、従来のマルチフィジクス計算力学に対し「マルチシナリオシミュレーション環境学」を提唱、推進しています。マルチシナリオシミュレーション分野では、物理事象を数理的に取り扱うだけではなく、社会、ひと、地球環境をとりまく状況も配慮し、人工物の機能や導入評価のシナリオを修正・再構築できる人工物シミュレータを開発します。そして、先進的スパコン上での実問題応用シミュレーションによるグリーンイノベーション創出に取り組んでいます。大学院では、学位取得に向けて以下の3分野でのテーマを設け、機械系全般、数理科学、計算機ソフト・ハード・ネットワークをバックグラウンドとし、個々のアプリケーション分野の深い知識と専門性を備えた、計算科学エキスパートを養成します。2012年4月1日付で人工物工学研究センターから異動しました。
2022年4月から松永が加わり、粒子法・流体シミュレーションの研究も行っています。
1. 並列有限要素解析システム FrontISTRの開発と産業応用
- 低炭素社会実現のための要素技術シミュレーション研究
- 高性能タービンブレード設計
- 放射性廃棄物格納容器の溶接部残留熱応力
- 高速走行列車のレール・車輪間の動的接触
- 電子機器の熱変形・落下衝撃
- CO2地中貯留と地盤変形など(企業との共同研究を含む)
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2. 次世代エクサスケール計算機システムに向けたHPC基盤
- 有限要素法に基づくポストペタスケールアプリケーション開発環境
- マルチコアCPUとGPGPUによる階層的ヘテロジニアス環境における並列有限要素解析
- 通信削減アルゴリズム
3. 環境エージェント設計と低炭素社会構築への応用
- 環境学的価値の伝播と分析を支援するミドルウェア MADS/SAGS の研究開発
- 燃料電池自動車をはじめとする低炭素エネルギー技術の普及過程
- 溶鋼温度管理における不確実性の数値解析
- エネルギーベストミックス問題
- 水素社会構築過程シミュレーションなど
4. ポスト「京」重点課題⑧
- 「近未来型ものづくりを先導する革新的設計・製造プロセスの開発」
サブ課題E「新材料に対応した高度成形・溶接シミュレータの研究開発」 - 外部リンク
5. 粒子法・流体シミュレーションの研究
粒子法を用いた流体シミュレーションの研究を行っています。流体などの連続体の運動を解析する方法には様々なものがありますが、運動を記述する偏微分方程式の空間離散化にメッシュ(計算格子)を必要としないものを一般に粒子法またはメッシュフリー法と呼びます。粒子法はまだ進化の絶えない比較的未成熟の解析手法ですが、複雑な気液界面挙動を伴う流れや物体によって駆動される流れなどの他の手法では解析が難しい問題体系に対して有効であることから注目を集めており、産業界での適用も広がってきています。
本研究室では、粒子法の計算アルゴリズムの開発やその応用に関する研究を進めています。従来、粒子法は解析精度が低く、計算結果の信頼性を疑問視する声もありました。最近の研究成果では、計算アルゴリズムを基礎のレベルから見直すことにより、解析精度を向上した新たな粒子法が次々と開発されています。本研究室はその高精度粒子法の最先端を研究しており、解析技術のさらなる追求や高性能計算環境を駆使することなどによって計算力学の未踏領域に挑戦しています。
詳しくは「Research Topics」のページをご覧ください。