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コア技術とするサブテーマの詳細

先進CAE演習


担当 奥田 洋司, 松永 拓也(人間環境学専攻)


  • 科目説明
  • スパコンやクラウドなど高度な計算機パワーを駆使して構造物、機械部品などの強度評価、詳細設計を行うさまを、本講義では先進CAE(Computer Aided Engineering)と称し、構造信頼性評価のための基盤学理と解析モデル作成、数値構造解析スキルを身に付けることを目標とする。産業界で取り上げられている具体的な事例を通じて、シミュレーションのためのモデリング論(材料非線形、幾何学的非線形、境界非線形(接触)、固有値、熱の影響、静解析・動解析、連成解析を考慮したモデル設定、など)を学び、演習においては、東大で開発されたソフトウエア資産である FrontISTR(オープンソース構造解析ソフトウエア)などを用いて、大規模並列FEM構造解析、解析結果の評価、等を行う。

スマートセンシング


担当 割澤 伸一(人間環境学専攻)


  • 科目説明
  • スマートフォンやスマートウォッチに代表される携帯情報端末の普及によって人間や環境のモニタリングが身近になってきた.本講義では,計測の基本原理を復習したあと,センシングデバイスの仕組み,センサ情報処理手法に関する知識を提供する.講義中に適宜ハードウエアおよびソフトウエアを実際に取り扱うことによってその理解を深める.ハードウエア要素技術として,ウェアラブルなセンサ(心電センサ,脈波センサ,モーションセンサなど)あるいはスマートフォンに組み込まれたセンサ(マイク,照度センサ,加速度センサ,ジャイロセンサなど)を取り上げ,実物を手にしたりソフトウエアを利用したりして理解を深める.センシング事例として,生活環境のモニタリング,人間の行動識別手法,人間のストレス評価手法,人間の感情識別手法,およびこれらの伝達,表現手法を取り上げる.

形態デザイン創造演習


担当 佐藤 淳(社会文化環境学専攻)


  • 科目説明
  • 建築の構造設計において、力学に基づく形態を追求する手法は「構造デザイン」と呼ばれ、建築家やその他技術者との協働によって力学以外の要素との調和を図りながら創出される。中でも幾何学的なパラメーターを限定して、その条件のもとで力学や環境の評価指標を最適化する手法は「形態解析」「パラメトリックデザイン」などと呼ばれる。他分野への応用も期待されるこの手法を、数種のソフトウェアを連動させるソフトウェアコンポーネントの構築によって実践する。幾何学操作のアルゴリズムの構築、力学的な「安全性」の設定、「ナチュラル」「快適」といった環境の評価指標となる画像のスペクトル解析法の導入などを試みる。

インターンシップ連携演習


担当 佐々 成正(日本原子力研究開発機構), 大嶋 昌巳(千代田化工建設), 奥田 洋司(人間環境学専攻)


  • 科目説明
  • 今年度は、2つのインターンシップ連携演習を実施する。履修者は下記2つのテーマからいずれか1つを選択し参加する。
    • テーマ1:数値計算の高精度化演習
      近年スパコンを用いた大規模並列計算において、演算回数の増大に起因する有効桁不足が、まだ少数ではあるものの報告されている。この現象を回避し十分な精度を得るには、通常の数値計算で利用されている倍精度演算を改良し、計算精度を上げる必要がある。本講義では有効桁不足解消のために開発された高精度数値計算ライブラリである4倍精度BLAS(線形代数)とFFT(フーリエ変換)について、基礎事項の確認と高精度化(4倍精度化)手法の解説を行う。さらに演習部分において、この高精度数値計算ライブラリを用いた数値計算を実際に行って、高精度化計算の意義を確かめることを目標とする。
    • テーマ2:実機プラントCEA演習
      製油所等のプラント施設(反応塔、容器、ポンプ、配管等の機器、およびそれらを支える構造物等)は複雑な構造物であるため、設備ごとに区切って安全率を考えた荷重を設定して設計されてきている。しかしながら、近年では地震や台風などの自然災害を代表に、設計時に想定しているより頻度の低い重大な事象が発生して被災することが多く見受けられる。その対応としては、従来の設計方法で設計荷重を増やして強固な構造物を作ることは経済的でない。そこで、耐震設計を例にとると、その敷地での適切な動特性を考慮した入力地震動を設定し、複雑な設備系の連成振動特性を考慮できるように構造物を適切にモデル化し応答解析を実施することにより、より経済的で強靭な施設の設計を実施することが可能となる。本演習では、爆風や津波等で構造物への入力する動的荷重の設定のため、液体の動的解析をCFD(Computed Fluid Dynamics)のプログラムで実施する。次にそれらの入力による構造物の動的応答を求めるため、FEA(Finnite Element Analysis)のプログラムで応答解析を実施する。これらの演習を通して動的解析の基礎を学び、現在のエンジニアリングで実施されている解析レベルを知る。